彼らの車での移動距離は自転車の2日分にあたり、翌日にはグレイシャー国立公園に到着します。ここからまた登りが始まりました。
カナダ側のウォータートン国立公園(国境で接し、ウォータートン・グレイシャー国際平和公園とも呼ぶ)を走り抜けて、アメリカとの国境まで5㎞のところの公営キャンプ場に着きました。あいにく空きがなく、やむなくUターンして少々高い民営キャンプ場を利用することに。
アメリカ・モンタナ州への入国時の記憶がありません。それほどアッサリしていたのだと思います。グレイシャー国立公園の北東の入口セントメリーには、翌日のきつい登りに備え早めに着きました。
が、ついついビールを4本、すると、隣のご夫婦と子供2人の家族から一緒に飲もうと誘われ、今度はワインで乾杯になりました。
オレゴンからの家族で、ご主人は土建屋のボスのようです。オレゴンの走行時のことや Coos Bay 町でのタイヤ待ちの話しなどで盛り上がり、その夜は少々飲み過ぎてしまいました。
めざすは Logan pass(ローガン峠)2026m。ここグレイシャー国立公園一帯は、古くから先住民にとって神聖な場所でした。アメリカ政府は地域内での狩猟を認めるという条件付きで先住民から土地を買収しました。その後、国立公園に指定されると、その条件がうやむやになり、私が旅行中の80年代にも、たびたびもめていたようです。
そんな人間の思惑など関係なく、自然は接してくれます。セントメリー湖を見ながら、サンロードと呼ばれる道を峠をめざして走り出しました。舗装された道は途中から急勾配になり、押し上げが始まります。30㎞の道程を4時間半、やっと Logan pass に到着です。
ここからは車の交通量の多い11時から4時までの間、自転車は通行止めになります。待ち時間はトレッキングへ。山中で出会ったカルガリーからの日本人観光客の皆さんから海苔のおにぎりを一つ貰いました。一口で、なぜかホッとする懐かしい味を思い出しました。
通行止めが解除されると、公園の南西の玄関ウェストグレイシャーまでサンロードを下ります。峠から先は、しばらく平坦な道が続きました。山肌を削られた道は狭いうえにガードレールもなく、確かに交通量が多いと自転車は注意が必要です。
あたりには今が盛りと咲き誇る数々の高山植物。遠く眼下には雪の残る山々に囲まれた名もない小さな湖。「ヤッホー」思わず叫ぶと、山びこが何度も応えてくれました。景色を独り占めしたような気分です。
ふと見ると、マウンテンゴートが1頭、カメラを構えた私のほうを振り向いていました。ナイスショット! 途中からウェストグレイシャーまで一気に下りました。公園内を走り抜けるサンロード約80㎞は、私に最高の1日をプレゼントしてくれました。

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