1982年10月23日、ロンドンに向け出発する日。夜9時発の便に間に合うように、JFK 空港までSさん夫婦が車で送ってくれることになっていました。
ところが、仕事がおしたようで、二人の帰宅は8時を過ぎてしまいました。気をもむお母さんにハグをして別れを告げ、急いで空港に向かいました。
あわただしく空港カウンターに着いた時刻は9時5分前。ところが、ロンドンの天候がよくなかったようで、受付では45分遅れでの離陸だと言っていました。
一気に気が抜けましたが、少し余裕ができたことでホッとしました。Sさんがジュースとホットドッグの夕食をトレイにのせて運んでくれました。ホットドッグをパクつき、ジュースを飲みほすと、一息入れる間もなく搭乗が始まりました。
肩から下げたフロントバッグから封筒を取り出し、「あとで読んでください」と言いながらSさんに手渡しました。今まで面と向かって言えなかった感謝とお礼の気持ちを、漢字まじりの英文に託したのです。
その思いとして100$紙幣も同封しました。「失礼と感じるかもしれませんが、日本流の表現の一つとして理解してくれるように」と一筆添えました。(翌年、日本に帰国した後、元同僚のCさんを通じて、Sさん一家の元気なようすを聞いています)
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ニューヨークまでの紀行文、いかがだったでしょうか。もっと書きたいことがあったような、つまらないことを書き過ぎたような……
カードとスマホがあれば簡単に海外旅行ができる。そんな現代とはちょっと違う80年代を感じてもらえたらと思っています。私自身、思い出深く印象に残っているのは、やはりロッキーの景観です。この旅の光景ベストスリーの一つになりました。
次回から、歴史を感じるヨーロッパに移ります。イギリスから始まりスペイン、ポルトガルへ。そして、寒さから逃れるように、ほとんど予備知識のない北アフリカへと、旅は続きます。どんなことが待ち受けているでしょうか。


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