アテネ滞在は9日間、W君が出発して3日経った5月16日(月)に私もブルガリアへ向けて出発しました。
久しぶりの一人だけの走行に少々寂しさ(?)を感じましたが、チェーンとフリーを新品に交換して歯飛びとオーバーローの心配が解消され、ペダリングは実に快調でした。
めざすはギリシャ第二の都市 Thessaloniki (テッサロニキ、Θεσσαλονίκη)、そこからブルガリアへ向かいます。平野部の少ないギリシャゆえ、自転車屋店主のアドバイスどおり、自ずと海岸線を行くコースになりそうです。
しばらく行くと、分岐に〈マラトンの戦い〉で知られる Marathon (マラトン)の標識がありました。紀元前、自軍に倍するペルシャ遠征軍をアテナイ(アテネの古名)の連合軍が打ち破った戦いとして有名です。
その時、伝令の兵士がアテネまで走り、勝利(良い知らせ)を伝えて絶命したといわれています。そのことがマラソン競技の起源になっています。ちなみにギリシャ語で〈良い知らせ〉は〈エヴァンゲリオン〉、あの有名なアニメです。
ギリシャの標識はギリシャ語だけの場合もありますが、道路標識はすべてギリシャ語とアルファベットが併記されています。ギリシャ語のまったくわからない私も、容易に地図と見比べることができました。
マラトンを右手にやり過ごし、内陸へ向かう国道から別れて北へ10数キロ、海辺の町 Skala Oropu (スカラ・オロプ、Σκαλα Ωρωπο)へ到着。
あいにく曇り空のため確認できませんが、対岸は(と言っても10キロほど) Crete (クレタ)島に次ぐギリシャで二番目に大きな島、Evia (エビア)島です。この島の向こうにエーゲ海が広がっているのです。

この港からエビア島行きのフェリーが出ていますが、私は40キロほど先の Chalkis (ハルキス、Χαλκιδα)から橋で島へ渡るつもりです。
「エビア島へ行くならハルキスの街の橋を渡るといいよ。大昔、島は陸続きだったらしいんだけど、地震で本土と切り離されたんだ、ほんの少しだけね。ハルキスの街の橋を渡って見てごらんよ」昼間、休憩時に話しかけてくれた若者が薦めたのです。
日没までもう少し距離をかせぐと、静かな浜辺で久しぶりに一人だけのキャンプを張ることになりました。
激しい金属音にビックリして飛び起きると、テントの中から外にちらつく明かりを確認できました。入口から顔だけ出してようすをうかがうと、波打ち際を歩く四人の人影。腰にカンテラをぶら下げ、金属棒を激しく打ち鳴らしています。
どうやら、漁師たちがしかけた網に魚を追い込んでいるようです。私の方を見て何やら話していましたが、すぐに金属棒を打ち鳴らしながら去っていきました。
時計を見ると深夜の12時をさしています。[何だよ、まだ12時じゃん。もうひと眠りするぞッ]

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